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ランチェスター法則から見える「小」が「大」に勝つ原理

NPOランチェスター協会理事 名和田 竜
公開日  最終更新日2018/03/20

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Relation-Stage 代表
NPOランチェスター協会理事 副研修部長 ランチェスター戦略学会幹事
相模女子大学 非常勤講師
マーケティング、フレームワークを考えるときに飲むコーヒー
ペン 仕事で使うパソコン

さて、これまで見てきたように、弱者と強者の戦い方は、真逆であるということがわかりました。
しかし、もう少し具体的にしていかなくては実践するのは難しいですよね?
その具体的な戦い方を見ていく前に、もう一度先ほどの「ランチェスター法則」に目を向けてみたいと思います。

ランチェスター第一法則とは

ランチェスター法則については、「武器の性能と兵力数によって戦闘力は決定付けられる」ことを示した「戦闘における勝ち負けのルール」であることは既にお話したとおりです。

ここで皆さんにお聞きします。
皆さんは、「戦い」というものには大きく2つの戦い方に分けることができることをご存知でしょうか?
1つは、「1対1の戦い」。
そしてもう1つが、「集団対集団の戦い」です。

「1対1の戦い」とは、狭い範囲で刀や槍などを持ち、敵と接近戦で一騎討ち型の戦を行なう原始的な戦い方を指します。(局地戦・一騎討ち戦・接近戦)

一方、「集団対集団の戦い」というのは、広い範囲で敵と距離をとり、機関銃のような武器で、多数が多数を同時に攻撃するような近代的な戦い方を指します。
その弾が敵に当たるかどうかは確率の問題ですので、確率戦とも呼ばれています。
近代における戦いは、皆ほぼこちらの確率戦といえるでしょう。(広域戦・確率戦・遠隔戦)

以上の2つに分けることが出来ます。
ここで1つ確認です。
「戦闘力」というのは、その軍隊の強さを示すものですよね?
繰り返しになりますが、戦いに勝つ為には戦闘力を高めなければなりません。
基本的には、戦闘力が強い方が勝ち、劣る方が負けるということですよね。
「優勝劣敗」とはよく言ったものです。

そして、その「戦闘力」は、先ほどから出てきている「武器の性能」と「兵力数」によって決まるわけなので、これを式で表すと・・・・

◎「戦闘力」= 「武器性能」×「兵力数」

・・・となります。
つまり、戦闘力というのは、武器性能と兵力数を掛け合わせたものによって決まるわけですね。
但し、武器には、性能だけでなく、兵士の腕前やモラールなどの要素も入ってきます。
したがってそれらの要素を敵と味方で比率化した「武器効率」という捉え方をします。
これを式で表すと・・・  

◎「戦闘力」=「武器効率」×「兵力数」

・・・ということになります。
例えば、味方が敵の2倍の性能の武器で戦えば敵の武器効率1に対して、味方の武器効率は2です。
逆に敵が味方の2倍の武器性能であれば、敵1に対して、味方0.5の武器効率となります。

戦いにおいては、この戦闘力が高い方が勝つわけですから、戦闘力を高めたいと思ったら、
武器効率を上げるか、兵力数を増やせばいいわけですね。
これはどちらも出来れば良いですが、どちらか一方でも上げることが出来れば、基本的には戦闘力が高まるというわけです。
非常に単純ですね。
しかし、この単純な掛け算が成り立つのが、先ほどの「1対1の戦い」(局地戦・一騎討ち戦・接近戦)の場合です。
そして、この「1対1の戦い」に適用されるルールを「ランチェスター第一法則」といいます。

理解を深めるためにもう少し説明していきましょう。
例えば、同じ力量(腕前)で同じ武器を持った兵隊同士が、チームA軍:5名と、チームB軍:3名で戦ったとします。(武器効率は同じ)
どちらか一方が全滅するまで戦い続けた場合、どちらがどれだけ生き残って勝つと思いますか?

この場合、武器効率は同じという条件となりますので、武器効率は1となります。
したがって、同じ力量の者同士が同じ性能の武器を使って戦った場合、

・チームA軍: 戦闘力=武器効率1×兵力数5=5(チームA軍の戦闘力)
・チームB軍: 戦闘力=武器効率1×兵力数3=3(チームB軍の戦闘力)

※全滅するまで戦うとすると・・・
・(チームA軍の戦闘力5)-(チームB軍の戦闘力3)=2
よって、チームA軍が2名残して勝つ!

非常にわかりやすいですよね!
要は、武器効率が同じであれば、兵力数が多い方が勝ち、多い分だけ生き残ると言う結果になるということです。

※兵力数の多い方が戦闘力が勝るわけですので、結果として勝つ。
 その際、武器や腕前が同じ者同士が一騎討ちで戦うので相討ちになる。
 したがって、数の多い方が多い分だけ残して勝つ。

逆もしかり。数が同じなら、武器や力量(腕前)が優れている方が戦闘力が勝ります。

さぁ、ここから何がいえるでしょう?

勝つためには、「武器効率を上げる」か「兵力数を増やす」ということが言えますよね。
これだけだと簡単に聞こえますが、でもこれが基本なんですね。

但し、ここでもう1つ注目しておきたいのが、チームB軍が3名倒されているのに対し、勝ったチームA軍も3人が倒されているということです。
実は、倒される数(損害量)に関しては、同じということを「第一法則」では示しているのです。
「ランチェスター第一法則」では、武器効率が同じであれば兵力数が多い少ないに関係なく、倒される兵力数は同じである・・・このことを頭にしっかり入れておいて下さい。

それでは、数の少ないチームB軍が勝つ為には、武器効率をどこまで上げれば良いのでしょうか?

この場合、兵力比よりも高い武器効率で戦えば勝てるということになります。

ランチェスター第二法則とは

ランチェスター第一法則が適用されるのは、「1対1の戦い」(局地戦・一騎討ち戦・接近戦)でした。
それに対し、第二法則は、「集団対集団の戦い」(広域戦・確率戦・遠隔戦)に適用される法則です。
「集団対集団の戦い」というのは、広い範囲で敵と距離をとり、機関銃のような武器で、多数が多数を同時に攻撃するような近代的な戦い方を指すといいました。
当然この場合でも、戦闘力が高い方が勝つわけですが、1つだけ第一法則とは大きく異なる点があります。

それを式で表すと・・・

◎「戦闘力」=「武器性能」×「兵力数の2乗」

何が違うか? もうわかりますよね?

そう、「兵力数」が「2乗」になっているという点です。
これは、第二法則が適用されるような状況下においては、兵力の数が2乗に作用されることを意味します。

第一法則と同様、例えば同じ力量(腕前)で同じ武器を持った兵隊同士が、チームA軍:5名、チームB軍:3名でどちらかが全滅するまで戦ったとします。
この場合もどちらが何人生き残り、勝つことが出来るか?考えてみましょう。

同じ武器・力量であれば、先ほどと同じで、武器効率は1となります。
したがって兵力数が多い方が勝つことはわかりますよね?
但し、第二法則の場合、兵力数が2乗になると申し上げました。
この2乗になるということがポイントです。

したがって、

・チームA軍: 戦闘力=武器効率1×兵力数5の2乗=25(チームA軍の戦闘力)
・チームB軍: 戦闘力=武器効率1×兵力数3の2乗= 9(チームB軍の戦闘力)

数が多い方が戦闘力が高い!(つまり勝つ)ということは第一法則と変わりありませんが、第二法則の場合は、兵力数が2乗に作用しますので、たたでさえ数が多い側が有利にもかかわらず、さらに有利になってしまいます。
この場合、圧倒的に有利になるといった方が適切かも知れません。(圧倒的に戦闘力が高くなる)

では、なぜそのようになるのでしょうか?
その理由を説明しておきましょう。

チームA軍の5人は、チームB軍の3人に同時に攻撃をします。
チームB軍は、5人から1/3の確率で命中する攻撃を受けることとなります。
武器効率は、どちらも1なので、チームA軍の戦闘力は、5/3となります。
一方、チームB軍の3人は、チームA軍の5人に対し、同時に攻撃をします。
チームA軍は、3人から1/5の確率で命中する攻撃を受けることとなります。
つまり、チームB軍の戦闘力は、3/5となります。

第一の法則と第二の法則をどう使うか?

第一法則では、倒される兵力数(=損害量)に関しては、勝つ方も負ける方も同じでした。
ところが、第二法則では、兵力数が多い方が圧勝します。
つまり、損害量にも大きな差が出るわけですね。

では、先程の第一法則と同様に、兵力の少ないチームB軍が、チームA軍に勝つには、どうすればよいでしょうか?

当然、武器効率を上げていくということになりますよね?
その場合、どの程度まで武器効率を上げると、チームA軍に勝つことが出来るでしょうか?

原則として、チームB軍の戦闘力が、チームA軍の戦闘力5の2乗を上回れば良いわけですよね。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
とはいえ、これはあくまでも原則として。
実際には、中々ここまでの武器効率に差を付けるのは難しいと言わざるを得ません。
基本的には、第二法則が適用される状況下(広域戦・確率戦・遠隔戦)においては、兵力数によって勝敗が決まってしまうと言い切っても間違いではないでしょう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

さて、この法則から私達が学び取っておかねばならないことは、兵力数が多いもの(大)は常に有利だということです。
一方、兵力数の少ない(小)ものは、第一法則型(局地戦・一騎討ち戦・接近戦)で戦うことで、圧倒的に不利な状況は回避し、何かしらの武器効率を上げることを徹底し、そこにおける兵力数を集中させることが求められるといえるでしょう。

実は、FWランチェスター氏は、「戦闘力」を決定づける「武器性能」と「兵力数」について、その戦闘における損害量を観ていくこで、2つの法則が成り立つことを発見したんですね。

まとめると・・・・
兵力数が多いもの(大)は第二法則で戦うことによって、圧倒的に有利な状況をつくり、確実な勝ち方をものにする。
⇒「大」=第二法則(広域戦・確率戦・遠隔戦)

兵力数の少ないもの(小)は、第一法則で戦い、同時に武器効率を高め、そこに兵力を集中する。
⇒「小」=第一法則(局地戦・一騎討ち戦・接近戦)

以上が勝つ為の原則となるということを忘れないで下さい。


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