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ランチェスター戦略 グランドルール/3つの結論

NPOランチェスター協会理事 名和田 竜
公開日 

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Relation-Stage 代表
NPOランチェスター協会理事 副研修部長 ランチェスター戦略学会幹事
相模女子大学 非常勤講師
マーケティング、フレームワークを考えるときに飲むコーヒー
ランチェスター戦略のグランドルール
ペン 仕事で使うパソコン

さぁ、ここまでランチェスター戦略の基礎知識を解説して参りましたが、
ご理解頂けたでしょうか?

もう少しだけ、お付き合い頂ければと思います。
最後に、ランチェスター戦略のグランドルールともいえる、3つの結論について解説しましょう。

1.「NO.1」(ナンバーワン)主義
2. 一点集中主義
3. 足下(そっか)の敵攻撃の原則

以上の3つが結論となります。

その内容について、詳しくみていきましょう。

<その1>「NO.1(ナンバーワン)主義」 ~ダントツ1位を目指す!~

ランチェスター戦略の最終目標は、「NO.1」(ナンバーワン)になることです。

但し、ランチェスター戦略でいうところの「NO.1」はただの1位では有りません。

2位以下を圧倒的に引き離した「1位」。つまりダントツの1位です。
これのみを「NO.1」と呼んでいます。

但し、これは総合力で「NO.1」を目指しましょうということでは有りません。

どんな小さな市場でも、どんなに小さな領域でも構いません。
まずはここだと決めた市場において、ダントツの1位、すなわち「NO.1」になることです。

これが「NO.1」(ナンバーワン)主義です。

しかし、これではやや抽象的過ぎますよね?

何を持ってダントツの1位なのか?

これにも明確な定義付けがあります。

それが、シェア理論で解説した「3倍差」あるいは、「√3倍差」(約1.7倍差)、
2位との間にこの差を付けた1位をランチェスター戦略では「NO.1」と定義づけてます。

もう少し付け加えると・・・

(1) 2社間競合、単品の客内シェアであれば1位と2位との間に「3倍」差。

(2) それ以外は、√3倍(約1.7倍)の差を2位に対して付けた1位。

となります。

仮に、1位であっても2位との差が少ない場合、その地位は安定せず、2位との値引きや
サービス合戦などの消耗戦になる可能性が高くなり、収益性なども悪化していきます。

したがって、2位を圧倒する「NO.1」を目指すことが求められます。

弱者であれば、当然、総合的な1位を目指す必要はありません。細分化した小さな市場で構いません。

全体ではなく、部分の視点をもち、そこで「NO.1」を目指すということですね。

「NO.1」になれば、収益性、安定性、成長性も増します。
仮に拡大を目指すのであれば、そこで、十分な勢いを持って、次の市場を目指して行けば良いのです。
極論をいえば、この「NO.1」づくりこそランチェスター戦略の目的とするところなのです。

チームや組織などにおいて、よく言われることですが、小さくても勝ち続けることによって、
勝ち癖というものが付いていきます。

こうした小さな成功体験が、チームや組織にとって自信となり、次の勝ちへと繋がっていくのです。 

もちろん、自社にとって、採算性が合わないくらい小さすぎる市場では経営判断が問われます、
今は小さくても将来的に成長していく市場もありますので、その辺りはしっかり見極めましょう。

皆さんも「何でも良いから一番になれ!」と言われたことは有りませんか?

「NO.1」になるメリットは、多々有ります。

私自身最初に実感したのは、合気道の社会人関東大会一般の部で優勝した時です。

そもそも、合気道を始めたのが大学になってから。

元々武道や格闘技好きでしたので、幼少の頃は剣道をやってはおりましたが、後発弱者の立場です。

合気道自体を始めたのも、その神秘性と当時は競技人口が少ないからというのが理由としてありました。

まさに小さな市場です。始めてみて気づいたのですが、ここで頑張れば関東大会くらいでは1位になれるかも知れない。
いや、一番にならないと意味が無いということでした。
実際社会人となり、数年後に優勝をするのですが、「ただ合気道をやっています」と
「大会で優勝経験があります」ではインパクトが違います。

当時はそれが代名詞にもなりましたし、コミュニケーション作りのきっかけにもなったんですね(笑)。

正直、空手、柔道などの大会に比べれば、出場者数なども雲泥の差です。
しかし、小さくても一番というのはやはりインパクトがあるんですね。

私事で恐縮ですが、「NO.1」とはそういうことなんです。

<その2> 「一点集中主義」 ~まずは1つに絞り込む!~ 

戦略の入り口で重要なことは選択と集中です。
弱者であれば、まずは勝負する市場を1つに絞り、そこに集中しなくてはなりません。

とにかく「ここで勝つ!」という自社のフィールドを決めることから始めます。

まずは、どこで戦うのか?
その戦場を定めなければ戦い方は見えてきません。

勝敗は「競合局面における相手と自分の力関係」によって決まります。

したがって、その局面(市場)を決めなければ、競争状況や自社の強みや弱みなども見えてきませんよね。

まずは、「勝ちやすきに勝つ!」
少しでも自社の得意領域、優位となる領域を見つけ、そこに兵力を集中し勝負していきましょう。

具体的には、「商品」「地域」「流通」「顧客(客層)」等を絞り込んでいきます。

そして「集中」していきます。すなわち「量」を増やしていきます。
「量」を増やすということは、必然的に「質」も高まっていきます。

「量質転化の法則」・・・・これは、ある一定の「量」をこなしていくと、
それはやがて「質」に変わっていくということを意味します。

私も研修や講演などは間違いなくこの「量」によって、「質」が高まったと言えます。
「量」をこなすということは、今の時代非効率なようにも聞こえるかも知れませんが決してそんなことはありません。
「量」をこなしていくと、ダメなところや課題等が明確になります。
そして次回それを改善しまた取り組んでいく。
その繰り返しにより、どんどんブラッシュアップされ「質」が高まっていきます。

営業においても同じです。一点集中したからには、その一点では量的にライバルに負けない。
おのずと、質においても負けないようになってくるものです。
「量」は「質」をつくるということも覚えておいて下さいね。

とはいえ、一点集中主義はリスクが伴います。
確かに分散化を図ることでのリスクを回避するという考え方もあります。

ただ、一点集中はあくまでも突破口としての意味であり、永遠に1つに絞れということでは有りません。
もちろん、1つの市場のみを永続的に取り組むという選択肢もありますが、

いずれにせよ、まずは1つの市場で勝てなければ、恐らくどの市場でも勝てない。
そのようにお考え頂いてよいでしょう。

そもそも兵力が少ない弱者が、初めから兵力を分散してしまったら、突破口も見えませんよね。
「大きな市場で小さなシェア」ではなく、「小さな市場で大きなシェア」。
まずは、このことを意識しましょう。

<その3>「足下(そっか)の敵攻撃の原則」 ~攻撃目標と競争目標は分離~

全体と部分ということを何度かお話して参りましたが、市場をマクロの視点で観ると、競合と意識していた企業でも、細分化された市場においては、実は競合というほどバッティングしていなかったという話はよくあります。
やはり、全体と部分という視点がいかに重要かがわかりますよね?

さて、細分化された市場において自社の立ち位置が明確に認識出来たとしましょう。
その際に、自社はどこに狙いを定め攻撃をしていけば良いと思いますか?
その答えは、市場シェアが自社よりも1つ下の競合、「足下の敵」(そっかのてき)です。
これがランチェスター戦略の結論の3つ目となります。

心情的には、下を見るよりも上を見て攻撃を仕掛けたいものですが、これが大きな罠に陥る原因にもなります。上位企業との差が拮抗状態にあれば話は別ですが、そうではない場合、上に勝負を挑むのは時期尚早と言わざるをえません。
先ずは「勝ちやすきに勝つ!」この発想が重要です。
では、さらに下位の企業を攻撃すればいいのでは?
・・・とお思いになられたかも知れません。
しかし、ランチェスター戦略では、シェア差間を非常に重要視していることはお話してきた通りです。
したがって、即下の企業。すなわち足下の敵とに開きがないまま上位企業に戦いを挑めば、その間にそれこそ足元をすくわれかねません。
その開きとは、具体的には3倍、あるいは√3倍(約1.7倍)を指します。

仮に、足下の企業を叩き、その売上げを奪えれば自社がその分シェアアップし、逆にその分足下の企業がシェアダウンします。
つまり、自社と即下位の企業との差が広がることで、その地位が安定してくるという利点が足下の敵攻撃にはあるんですね。
皆さんも、ビジネス領域と定めた市場において、自社が置かれている市場地位をしっかり理解し、仕掛けるべき攻撃相手を見極めて下さい。営業担当者などは特に、自身の営業エリアにおいての足下の敵、顧客内シェアにおける足下の敵、これをまずは把握しておくことが求められます。

以上が3つの結論となります。

まとめ

最後にまとめておきましょう。
まずは、定めた市場に対し、資源を分散させず、一点集中していきます。
また、競合を見渡し、自社の位置付けを確認した際、足下の敵との差が3倍あるいは、√3倍差が付いていなければ、まずはそこを叩くことから始めていきます。
そして、最終的にはその市場におけるダントツの1位、すなわち2位との差に3倍、あるいは√3倍差をつけた「NO.1を位目指していきます。
これが、ランチェスター戦略3つの結論(グランドルール)です。


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