事業企画書作成をスムーズに!使えるテンプレートと具体例。

更新日2024/12/31  公開日  この記事を書いた人熊谷 基継
事業企画書
企画書を指すビジネスマン
企画書に使えるフレームワークテンプレート101
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事業企画書は、事業を立ち上げる際や新しいプロジェクトを開始する際に、計画の実行可能性やリソース、目標などを明確にするために作成されます。
以下の構成では、一般的な事業企画書に必要な要素をまとめつつ、指定されたフレームワークも活用しています。事業の背景や目的から具体的な実行計画まで、詳細に構成しています。

INDEX

事業企画書はどんなときに書く?

事業企画書は、以下のようなシチュエーションで作成されることが多いです。それぞれのケースにおいて、事業企画書の目的や内容は異なる場合がありますが、基本的な目的は「事業の方向性を明確にし、実行可能性を評価すること」にあります。

1. 新規事業の立ち上げ時

目的:

新しい事業を開始する際には、その事業の市場環境、競争状況、ビジネスモデル、戦略を整理し、明確にするために事業企画書を作成します。これにより、社内外のステークホルダーに対して事業の理解を深めてもらい、賛同を得ることができます。

具体例:

新しい製品やサービスを開発して市場に投入する場合、その事業の市場規模、ターゲット層、競争優位性を分析した企画書を作成する。

2. 資金調達や投資家へのプレゼンテーション

目的:

事業を拡大するための資金調達(銀行融資、エンジェル投資家やVCからの投資など)を行う場合、事業企画書が必要です。投資家に対して事業のポテンシャルやリスクをしっかりと説明し、納得してもらうことが目的です。

具体例:

新しい事業アイデアを持っているが、資金が不足している場合。銀行やベンチャーキャピタルに提出する事業計画書を作成する。

3. 事業の方向性の見直しやリブランド

目的:

既存の事業が市場での競争に直面したり、成長が鈍化したりした場合、事業の方向性を見直すために事業企画書を作成します。これには、事業のリブランドや新しい市場への参入を計画する場合も含まれます。

具体例:

既存の事業が競争力を失い、新しい戦略を取る必要がある場合。新しいターゲット市場や製品ラインに焦点を当てる戦略を企画書としてまとめる。

4. 新しいプロジェクトの立ち上げ

目的:

大規模なプロジェクトや新しいサービスの開発、展開を行う場合、事業企画書を作成してプロジェクトの目的、目標、実行計画を明確にすることが重要です。これにより、プロジェクトの進行状況を評価し、リソースの配分を最適化できます。

具体例:

新しいオンラインプラットフォームの立ち上げを決定した場合、そのプラットフォームの機能、ターゲット顧客、収益モデル、開発スケジュールなどを盛り込んだ企画書を作成する。

5. 業務改善や効率化のための戦略策定

目的:

既存事業の効率化や改善を図るための戦略を立てる場合、その戦略を実行に移すための計画を整理するために事業企画書を作成します。特に、コスト削減やプロセス改善を行う場合、明確な指針が必要です。

具体例:

既存の製品ラインの生産効率を上げるための新しい製造プロセスや、新しいソフトウェアツールを導入して業務を効率化する計画を作成する。

6. パートナーシップやアライアンスの提案

目的:

他の企業との提携やアライアンスを結ぶ場合、その提携内容や協力の範囲、双方の利益などを明確にした企画書を作成します。パートナー企業との合意を得るための根拠となります。

具体例:

新しい事業提携を進めるために、自社と提携先の役割や期待される成果を整理した事業計画書を作成する。

7. 新市場への進出計画

目的:

海外市場や新しい地域市場に進出する場合、その市場の分析、進出戦略、リスク管理策を盛り込んだ事業企画書を作成します。新たな市場で成功を収めるための道筋を示す重要な文書となります。

具体例:

海外市場に新製品を展開する場合、その国や地域の市場環境、文化、競合状況に合わせた戦略を事業企画書としてまとめる。

8. ビジネスのデジタル化やIT戦略の構築

目的:

自社のビジネスのデジタル化を進める場合や、新しいIT技術を導入する場合、その計画を実行するための道筋を示す事業企画書を作成します。デジタル化が競争優位性を生む場合が多いため、その重要性を理解してもらうために策定します。

具体例:

自社の営業プロセスをオンライン化するためのソフトウェア導入や、AIを活用した製造プロセスの効率化を計画する場合。

9. 企業再生・事業再構築

目的:

経営が厳しくなった企業が再建を目指す際に、どのように再生を進めるか、どの分野でリソースを集中するかを整理するために事業企画書を作成します。事業再生計画を具体化するために必要な内容を盛り込みます。

具体例:

財務状況が厳しい企業が、特定の事業を縮小し、新たな成長分野にシフトするための再生計画を立てる場合。

10. 従業員やステークホルダーへの説明や報告

目的:

大規模な事業変更、重要な意思決定を従業員や株主、取引先などのステークホルダーに伝えるために事業企画書を作成します。説明責任を果たし、理解と協力を得るために使われます。

具体例:

企業が新しい戦略を導入したり、大きな組織変更を行う際に、社内でその内容を伝えるために事業企画書を使う。

事業企画書は、事業をスタートする前、または進行中に課題や改善点を解決するために作成します。
特に、資金調達や重要なステークホルダーへの報告、事業の方向性を再確認するために使われます。そのため、事業の規模や目的に応じて内容や詳細は変わりますが、基本的には事業を成功に導くための計画書として重要な役割を果たします。
続いて、実際の事業企画書の構成例はどういうものか、説明していきましょう。

事業企画書の構成には、様々なフレームワークが使われています。
ここで紹介しているテンプレートをまるごとダウンロードするにはこちらをご覧ください。

事業企画書の構成例

1. 表紙

– 事業名
– 提出日
– 提出者(担当者名)
– 企業名や団体名(必要に応じて)

2. 事業の概要

事業の目的:

事業の立ち上げの目的や意義、どんな問題を解決するのか。

事業のビジョン:

目指す方向性や最終的なゴール。

ターゲット市場:

顧客層や市場の特性、ターゲット層の定義。

提供する商品・サービス:

商品やサービスの概要と特徴。

3. 市場分析

市場の現状:

競争環境、市場規模、成長性などの市場分析(PEST分析、SWOT分析、3C分析)。



競合分析:

主な競合他社や競争要因を把握し、差別化ポイントを明確にする(ファイブフォース分析、クロスSWOT)。


市場の機会とリスク:

どんな機会があるか、また潜在的なリスクは何か。

4. 顧客セグメントとターゲティング戦略

セグメンテーション:

顧客層をどのように分け、どのセグメントに焦点を当てるか(セグメンテーションの変数)。

ターゲティング:

どのセグメントをターゲットにするか、ターゲット市場の特性やニーズを分析(5つのターゲティング戦略)。

ポジショニング戦略:

競合他社に対して自社をどのように位置付けるか(STP分析)。

5. 製品・サービスの詳細

商品・サービスの特徴:

商品やサービスが提供する価値、特長、イノベーション性など。

ユニーク・セリング・ポイント(USP):

他の競合と比較して、どのような独自性があるか。

提供方法:

商品やサービスをどのように提供するのか(オンライン販売、店舗販売、サービス提供の方法など)。

価格戦略:

価格設定や競争優位性を保つための戦略(4P分析)。

6. マーケティング戦略

プロモーション戦略:

顧客への認知拡大や集客のために実施するキャンペーンや広告戦略(AIDMA、AISAS、マーケティングファネル)。



チャネル戦略:

顧客に商品やサービスを届けるための流通経路(オンライン、オフライン、代理店など)。

価格戦略:

価格設定の方法や割引戦略、価格競争力を維持する方法。

顧客維持戦略:

顧客のリピートや忠誠心を高めるための施策(LTV分析)。

7. 事業運営計画

事業の実行体制:

事業を運営するために必要な組織体制や人材。

リソース計画:

必要な資金や設備、人員などのリソースをどのように確保するか(VC分析、バリューチェーン分析)。

KPI設定:

事業の進捗を評価するための重要業績評価指標(KPI)を設定(BSC、PDCA)。


8. 財務計画

収益予測:

売上や利益の見込みを示す(利益モデル、キャッシュフロー予測)。

資金調達方法:

必要な資金額、調達方法(自己資金、融資、投資家など)。

リスク管理:

予想されるリスクに対する対応策や保険、ヘッジ戦略(リスク分析)。

9. 実行計画とスケジュール

プロジェクトのマイルストーン:

重要な進捗や成果物を示したスケジュール(GanttチャートやTimeline)。

実行ステップ:

事業開始から完了までの段階ごとのアクション項目。

10. リスクと課題

事業実行上のリスク:

市場の変化や競争環境など、予想されるリスク。

対策と対応策:

各リスクに対する対策(QCD、トレンド分析、プロコン分析)。


11. まとめと今後の展望

事業の長期的なビジョン:

今後3〜5年の展望や成長戦略。

今後の課題:

短期的および長期的な課題とその解決策。

今後のステップ:

次に取るべき具体的なアクション。

フレームワーク活用例

– PEST分析:市場環境(政治、経済、社会、技術)を分析して事業に影響を与える外部要因を明確化。
– SWOT分析:自社の強み、弱み、機会、脅威を整理。
– 3C分析:顧客、競合、自社を分析して、競争優位性を把握。
– STP分析:セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングでマーケット戦略を策定。
– BSC(バランストスコアカード):事業のKPIを設定し、進捗状況を測定するフレームワーク。
– LTV分析:顧客のライフタイムバリューを測定して、マーケティング施策を最適化。

まとめ

この事業企画書の構成は、事業の全体像を整理し、実行計画に落とし込むためのフレームワークを提供します。事業の目的や市場、競争状況を分析し、具体的な戦略や実行計画を明確化することで、事業の成功に向けた道筋を描きます。

事業企画書の構成には、様々なフレームワークが使われています。
ここで紹介しているテンプレートをまるごとダウンロードするにはこちらをご覧ください。

この記事を書いた人

この記事を書いた人イラスト
熊谷 基継

ITコンサルタント マーケティングエンジニア デザイナー
ISP企業、おでん屋、企画・マーケティング企業を経て独立。サラリーマン時代に企画書の書き方やアイデアの出し方がわからなかったので、同じようなビジネスパーソンのために企画書のフレームワーク・テンプレートサイトを起ち上げる。現在はMA/マーケティングオートメーションを使ったWEBコンサルティングをはじめ、WEB/アプリのデザイン・開発、子供向けのプログラミング教材開発に従事。

著書
このサイトでは企画書を書くためのテンプレート・フレームワークを数多く紹介しています。
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思考につかえるフレームワーク

何にでも使える基本フレームワーク
マトリクス思考
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企画アイデア発想からマーケティングプロセスまでのフレームワーク

企画・アイデア発想
1つのアイデア・キーワードからアイデアを広げる
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マーケティング施策
顧客心理段階で考える
価格・市場などの要素で考える
マーケティング施策の目標設定

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