イベント企画書のテンプレートを使って企画書の書き方・構成を解説!
イベント企画書は、イベントの目的、ターゲット、コンセプト、進行方法、予算、スケジュールなどを整理し、関係者と共有するための重要な文書です。以下では、イベント企画書が必要なタイミングとその構成について、フレームワークを活用した説明を行います。
1. イベント企画書が必要なタイミング
1.1 イベントの目的と目標を明確にする必要がある時
イベントの目的が曖昧なままだと、関係者間での理解が一致しない可能性があります。目的を明確にするためには、まず「何のためにイベントを行うのか」「期待される成果は何か」を整理する必要があります。
MECE
– イベントの目的を漏れなくダブりなく整理するのに有効です。
1.2 目標設定や課題を整理したい時
イベントが成功するためには、達成すべき具体的な目標を設定する必要があります。また、その目標に向かって進むための課題を整理することも重要です。
SMART
– 目標を具体的、計測可能、達成可能、関連性のある、期限があるものとして定義します。
1.3 競合や市場環境の分析が必要な時
イベントが他の競合と差別化されるためには、外部環境や競合状況を把握することが必要です。これにより、効果的な戦略を打ち出すための基盤が作れます。
PEST分析
– 政治、経済、社会、技術の4つの要素から市場環境を分析します。
SWOT分析
– イベントを実施するにあたっての内部の強み(Strength)、弱み(Weakness)、外部の機会(Opportunity)、脅威(Threat)を整理します。
1.4 具体的な施策やプロセスを設計したい時
イベントを成功に導くためには、実施する具体的な施策や手順を明確にすることが重要です。これには、ステップごとの計画が必要です。
PDCA
– 計画(Plan)、実行(Do)、確認(Check)、改善(Act)のサイクルを回し、施策の進行を管理します。
1.5 予算やリソース配分が決められない時
イベントには多くのリソース(予算、スタッフ、設備など)が必要です。リソース配分を適切に決めるための指針が求められます。
QCD
– 品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の観点からリソース配分を最適化します。
イベント企画書の構成
イベント概要
イベントの目的や、企画書を作成する背景を簡潔に説明します。
– イベントの目的(何を達成したいか)
– 目標(具体的な成果物、数値的な目標)
– SMART目標の設定(具体的な数値や期限を設けて目標を定義)
まずはイベントの概要を簡潔に文章でまとめます。詳細はまた後のページで説明するので、まずは概要が相手に伝わるように書いていきます。
概要の下にあらためて目的と目標を明記します。
目標値は人数や金額など数字は具体的に書きましょう。
目標設定するときの参考として、SMART目標という目標設定のときのパラメータがあります。次の5つの観点で目標設定しましょうというものです。
Specific (具体的)、Measurable (測定可能)、Achievable (達成可能)、Realistic (現実的)、Time-bound (期限がある)
よりイベント後、結果を評価することも考えてSMART目標の設定をするとより明確な目標をプレゼン相手と共有ができます。
課題の整理
イベントの成功に向けて解決すべき課題を整理します。
– 課題(何が問題か、どのように解決するか)
すでに課題がわかっている場合は、イベント実施前と実施時、実施後に想定される課題をリストアップします。
解決案がある場合は、並行してそれぞれの解決策を明記します。
市場分析・競合分析
イベントが実施される市場環境や競合状況を分析し、差別化ポイントを明確にします。
– PEST分析(外部環境分析)
– SWOT分析(強み、弱み、機会、脅威)
競合イベントがある場合や、イベントの目的や意味、成果による影響を論理的にプレゼンする場合は、上記分析を実施して、その結果を1枚にまとめます。
分析結果も企画書に入れておくとさらに説得力が増すでしょう。
イベントターゲット・参加者想定
イベントのターゲット層を定義し、その特性を把握します。
– 参加者の特性(年齢層、職業、興味関心など)
– セグメンテーションの変数(地理的、行動的、心理的など)
年代・性別・趣向など、ペルソナを設定してもいいでしょう。
どういった人たちにイベントを開催するのかがより明確になり共有しやすくなります。
ターゲットをセグメントするときに、セグメンテーションの変数という指標を使って考えるとやりやすいでしょう。
イベントの詳細内容と進行計画
イベントの具体的な内容や進行方法、スケジュールなどを整理します。
– イベントの日程や場所、内容(セミナー、ワークショップ、ネットワーキングなど)
– 進行スケジュール
最初のページで説明したイベントの概要をより細かく具体的な数字等も含めて説明します。
次のページで進行計画案を書いていきましょう。
あくまでも案ですので、おおまかなポイントを押さえてプレゼンされている方がイメージしやすいようにまとめておきましょう。
すでに細かく決まっている場合は、パワーポイントなどに無理やり入れるのではなく、エクセルなどで進行表を作成して説明しましょう。
予算計画
イベントを実施するための予算を組み、全体的な予算感がわかるようにしましょう。
– 予算内訳(会場費、広告費、運営費用など)
集客のためのプロモーション費やグッズ制作などのイベント前の予算、会場・運営費などイベント当日の費用、イベント後に配信などをする場合はイベント後の費用など、現状想定されるリソースをリストアップします。
集客不足のために追加で必要かもしれないプロモーション費用や、当日までに想定外にかかってしまうかもしれない費用も想定しておくといいでしょう。
リソース管理
具体的にイベントで使うリソース(人員、設備など)の配分を明記します。
– スタッフや設備のリソース配分
イベント中のリソース管理が中心になりますが、イベント前後に必要なリソースもあればあわせて明記しましょう。
リスクマネジメント
イベント中に発生し得るリスクとその対策を検討します。
– 発生する可能性のあるリスク(天候、技術的な問題、参加者数の減少など)
– リスク対策(予備日設定、代替案、保険など)
ここでは、先述した現状考えられる課題ではなく、想定されるリスクをリストアップしておきます。
それぞれのリスクに対して解決案・対処方法を明記しておきます。
成果と評価方法
イベント終了後、成果を測定し評価するための基準を設けます。
– 目標達成度(来場者数、売上、SNSでのシェア数など)
– 参加者のフィードバック
イベントが成功したかどうか、やる意味があったのか、SNSやサイトのアクセス数、売上数など具体的な数字をあげて目標達成度を測れるようにしておきましょう。
参加者にアンケートなどをとることで、満足度を数値で集計することも可能です。
イベントの評価が判断できるようにどういうものを評価対象にするかを明確にしておきます。
あわせてその評価方法も具体的に示しておきます。
スケジュールと実施計画
全体のスケジュールを決定し、各段階での実施計画を策定します。
– イベント準備のための主要なマイルストーン
– 実施後の振り返りのスケジュール
ここではポイントとなるところだけを明確にして、おおまかなスケジュールを共有できるようにしましょう。
細かなスケジュールはエクセル等で別途作成しましょう。
イベント企画書のまとめ
このように、イベント企画書は目的に応じて必要な分析や手法を選び、各項目を整理していくことが重要です。フレームワークを効果的に活用することで、全体を漏れなくかつダブりなく設計することができます。
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